青蝶夢 *Ⅱ*
持って出る荷物は、ほんの僅か
これだけじゃ、とても足りない
私はもう一度、とりあえず今
必要な物だけを鞄につめていく
芳野の元へ戻れないのなら
あの街に私の生活に必要な物は
何ひとつ無い。
乾いたばかりの畳んである
洗濯物は、入院中に母が
用意してくれた下着や洋服。
それをそのまま、鞄につめる
私は、その手を止める。
零れいく涙・・・
零れて、鞄の中、洋服の上に
落ちた。
鞄のチャックを勢いよく
閉じる私。
時間が許されるギリギリまで
この場所で、今のうちに
涙を流しておこう。
伊吹の傍で、芳野を想って
泣くことはできないもの。
これだけじゃ、とても足りない
私はもう一度、とりあえず今
必要な物だけを鞄につめていく
芳野の元へ戻れないのなら
あの街に私の生活に必要な物は
何ひとつ無い。
乾いたばかりの畳んである
洗濯物は、入院中に母が
用意してくれた下着や洋服。
それをそのまま、鞄につめる
私は、その手を止める。
零れいく涙・・・
零れて、鞄の中、洋服の上に
落ちた。
鞄のチャックを勢いよく
閉じる私。
時間が許されるギリギリまで
この場所で、今のうちに
涙を流しておこう。
伊吹の傍で、芳野を想って
泣くことはできないもの。