青蝶夢 *Ⅱ*
助手席で、元気の無い秘色。

「ヒイロ、その髪飾り・・?」

私は、髪に留めてある
青い蝶の髪飾りに触れる。

「やっと、あの家から
 持って出る事ができた」

「確か、その髪飾り
 お前の大切な物だったな」

「うん・・・
 イブキ?」

運転する、貴方の横顔。

私を見つめる・・・

「どうした?」

伊吹に、芳野の

何を聞くつもりなの。

「ううん・・・
 この車、買ったの?」

シートは、新車を思わせる
ビニールを被ったままだった。
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