青蝶夢 *Ⅱ*
「イブキ・・・
 この車、ヨシノの車?
 
 どうして、ヨシノの車を
 イブキが運転してるの?
 
 ねえ、どういうこと?」

伊吹が運転中だと言うのに
興奮した私は問い質す。

「ねえ、教えて」

『イブキ、頼む・・・
 
 ヒイロには、今は言うな』

息を飲む、伊吹・・・

「ああ・・・
 
 これ?そう
 ヨシノの新しい車
 
 アイツが、お前を迎えに
 行かないって言うから
 腹が立った俺は気がついたら
 アイツから車のキーを奪って
 お前を迎えに来てた
 
 返さなきゃな・・・」

「それだけ?」

「ああ、そうだ
 他に、理由は無い」
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