青蝶夢 *Ⅱ*
「うそ、こんなに
 お若い方がイブキの・・・
 
 はじめまして、私
 伊吹さんと一緒に仕事を
 させて頂いています
 
 ソウマと言います」

「はじめまして、お噂は
 主人から聞いています」

『主人・・・』

芳野の心に、その言葉が
引っかかる。

草間さんは、伊吹の肩に
腕を回して耳元で言う。

「お前、一度も
 会わせてくれないから・・・
 こんなに
 可愛らしい方だとは
 
 あっ、コイツの事は
 知ってますよね?
 イブキの親友で、一緒に
 働いている、フルヤヨシノ」

一緒に働いてるって、何?

どういうこと・・・?

私は、伊吹と芳野を見つめた後
彼に、こう答えた。

「はい、知っています」

私は、何も知らない・・・
< 77 / 334 >

この作品をシェア

pagetop