青蝶夢 *Ⅱ*
タクシーの後部座席に
三人、並んで座る。

肩が、ぶつかり合う。

「お前、サボる気
 だっただろう?」

伊吹の声に、答える芳野。

「バレてたぁ
 お前には、何でも
 お見通しだな

 もう、これ以上は
 どうしようもないって
 苦痛に耐えるぐらいなら
 今のままでいい」

「バカか、お前
 最初の頃の事
 思い出してみろよ

 完璧には無理でも
 限界まで頑張れよな
 男だろう」

「うるせぇ」

「ごめん、二人の話を
 遮るようで悪いとは思うけど
 
 教えて・・・」
 
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