青蝶夢 *Ⅱ*
「顕微授精でしか子供を授かる
 道は無く自然妊娠は奇跡だと
 その時の担当医師には
 言われたわ
 
 その事が、原因だと思うの
 あの人が浮気を繰り返すよう
 になったのは・・・」

私は、お腹に手を当てた。

じゃあ、この子は
義父と私の間にできた
子供じゃ・・・ないの?

この子は

飛鳥の子供・・・

「どうしたの、ヒイロ?
 気分が悪いの
 少し、横になる方がいいわ」

「ううん、大丈夫
 
 ヨシノ、大丈夫?」

私の隣で、芳野の顔色が
青褪めていく。

「あらあら、フルヤさんまで
 顔が真っ青だわ
 本当に、貴方達は
 仲がいいのね
 
 ヒイロのつわりが
 うつったのかしら・・・
 
 今、濡れタオルを
 持ってくるわね」
< 9 / 334 >

この作品をシェア

pagetop