青蝶夢 *Ⅱ*
私は

何を考えてるんだろう。

芳野に逢えなくなるのが
怖くて

逢いたい・・・

逢いたいと

そんな事ばかりを考えて
自分が嫌になるよ。

食器を洗う、私の傍に
貴方は立つ。

「もう、いいよ
 後は俺がやるから」

「でも・・・」

芳野は蛇口を捻り、水は
止まる。

そして、タオルを差し出した。

「ありがとう」

「ほらっ、ガキを
 待たせてるんだろう
 
 イブキ、そろそろ
 奥さん連れて帰れよ」

『奥さん・・・』

「ああ」

私は、伊吹の妻・・・
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