一途なオリオン座
 今思えば・・・。あれが全ての始まりだった。まだ幼かった私たちは本当に子供で。自分たちがおこなっている行為がこんなにも愚かだなんて知らなかった。私たちがもう少し大人なら・・・。誰も傷つかなくて良かったのに。


 私たちのことはすぐに学年中に広まった。もともと人から何か言われるのが嫌いだった私はそれが嫌でたまらなかった。友達も、ましてやまったく知らない人も。聞いてくるのは希の事ばかり。皆、私の気持ちなんて分かってくれない。私はだんだんと友達と話すのが苦痛になって来た。

そんな中で感じるほんの小さなやすらぎは、希との会話だった。もちろん会話中も色んな人の視線を感じるけど、希の明るさでそんな不安も消え去っていった。希の一言一言が嬉しくて。一緒に居る時間が本当に楽しかった。

 そんな幸せを握りつぶすように、ある噂が広まった。
「弓崎希は相咲琉愛の暇つぶし道具」
案の定噂はすぐに広まり、たくさんの人の耳に届いた。きっかけは私の些細な行動。ただ廊下で他の男の子のグループで話していただけ・・・。それだけなのに。

 
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