【完】トリプルスレット
「ハァ・・・・・・」


友梨は愛都の後ろ姿を目で追いながら、大きなため息をついた。


「友梨?愛都が言ってたこと、どういうこと?」


友梨は振り向いたが、言いにくそうに口をキュッと結んだ。


「友梨?」


「あ、ほら。後ろ」


友梨は私の後ろに視線をやった。

振り向くとそこには、車から降りてこちらへ向かってくる内野コーチの姿があった。


「お久しぶりです、内野コーチ」


「おう」


内野コーチは、友梨の言葉に笑顔で返事を返した。

そして私の横を通り過ぎた。


内野コーチを見上げると、内野コーチも私の方を見ていて、目がパチリとあった。

内野コーチの唇の端がクッと持ち上がる。

私はその笑顔が嬉しくて、内野コーチに笑顔を返した。


「よろしくお願いします、内野コーチ!」


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