【完】トリプルスレット
「具合でも悪いの?なんだか、いつものココちゃんと違うよお?」


「そんなこと・・・ないよ」


私は愛都に精一杯の笑顔を送った。


「愛都こそ。今日の調子はどうなの?試合の半分以上は出てたでしょ?」


「平気だよお。今日もアシストいっぱい決めるんだ」


愛都はキラキラと笑った。




どうしてみんな、試合を楽しめるんだろう?




愛都の笑顔が、私の心臓をギュウっと締め付けた。





***




決勝トーナメントが始まった。

試合は全部で3試合。

4チームのうち上位3つが東北大会に進むことが出来る。


1試合目。


「宮瀬」


「はい」


スターティングメンバーの発表の際、私は黒さんに名前を呼ばれた。


第1クォーターから出場することになったのだ。


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