【完】トリプルスレット
「望花のポジションのところだ。動きは大体分かるな?」


黒さんが私の瞳をじっとみながら言った。


「はい」


「瑞穂。もし宮瀬の速攻が決まらなかったら、ボールを貰ってハーフコート・オフェンスをするんだ。いいな」


「はい」


瑞穂が力強く頷いた。




決まらなかったら・・・私あまり期待されてないのかな・・・・・・。



黒さんの言葉がズシンと重く感じた。





ピッ!





審判が整列の合図の笛を鳴らした。


「さあ、行こう心空」


友梨に背中を押されて、体育館コートの中央に出た。




ドクン、ドクン




心臓が破れてしまうのではないかと思うほど高鳴った。

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