【完】トリプルスレット
審判が胸の前で、腕をクルクルと回した。


「うそ・・・・・・」


トラベリングだった。


どうして・・・今までこんなミスしたことなかったのに・・・・・・。


「心空、ドンマイ。次決めよう」


私の後ろから追いついてきた友梨がポンと背中を叩く。


「さあ、ディフェンス頑張ろう」


「・・・・・・」


「心空?」


私は動けないでいた。

足が動かない。


「友梨先輩戻ってください!」


瑞穂が友梨を呼ぶ声・・・走り去っていく友梨。


私は他人事のように、ぼんやりとその様子を眺めていた。





ピーーーッ!




友梨に向かって審判のグーの手が挙げられた。

友梨がファウルをしたのだ。


友梨は審判のファウルの申告を確認すると、私に視線を向けた。

そして友梨は、黒さんに何か告げると私の元へと走ってきた。


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