【完】トリプルスレット
「おーっしゃあ!勝ったあ!!」


内野コーチが両手をグーにして天井に突き上げた。


試合は10対8で私たちが勝利した。


「ゲホッ・・・ハア・・・ゴメン。私が体力なさすぎたあ」


花さんは床に座り込んでグッタリとしている。


「そんなことないって。花はよくやったよ。現役じゃないのにさ。それにしても、心空ちゃんは体力あるねえ。俺らなみじゃない?」


奏大さんは花さんのリュックからスポーツドリンクを取り出し、ゴクゴクと飲みながら、私を見てニコリと笑った。


「それがこいつの武器だから。一対一の駆け引きも上手かっただろ?」


「うんうん。確かに。予想外の攻め方するからディフェンスつきにくかったよ」


花さんが奏大さんからスポーツドリンクを受け取って、情けなく笑った。


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