【完】トリプルスレット
トントントン


階段を降りてくる音が聞こえた。


「じゃあ、予定通り話しは進めておくので安心して下さい」


「ああ、頼んだ。助かる」


階段を降りてくる音と一緒に、奏大さんと黒さんの声が少しずつ近づいてくる。

私はバッと立ち上がり、二人を待ち受けた。


「あれ?心空ちゃん?まだ残ってたの?」


階段を降りてきた奏大さんが私の姿に気づき、目を見開いた。


「あの・・・何の話しか気になって」


「え?えっと・・・小塚先生?これって話してもいい話しですか?」


奏大さんが階段を降りきった黒さんに顔を向け、質問した。

黒さんは私をチラリと確認すると、寂しそうに目を伏せた。


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