【完】トリプルスレット
「ああ。いつかは分かる話だしいいだろう」


黒さんはフウと息を吐き、腕を組みながら、奏大さんに話しを促した。


「内野、ここのコーチを辞めるんだ。それで次のコーチの相談を小塚先生としていたんだ」


「え!?辞める!?内野コーチが!?」


愛都がその言葉を聞いて、一番に身を乗り出した。


「どうしてですか?理由は?」


友梨が奏大さんをジッと見据えて落ち着いた口調で質問をした。


「それは、内野本人が言うことだから」


奏大さんはそう言って優しく微笑むと、「じゃあ、俺はここで」と言って体育館から出て行ってしまった。


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