【完】トリプルスレット
「宮瀬、大丈夫か?」


ボーッと立ちつくしていると、黒さんにポンと肩を叩かれた。


「は、はい。なんだか突然だったのでビックリしちゃって」


「そうか・・・宮瀬は内野がいなくなっても大丈夫か?」


「・・・・・・え?」


黒さんに言葉に肩が小さくピクっと動いた。

そして、涙がタチタチと体育館の床に落ちていった。


「お前は、内野の教え方でここまで上達したんだ・・・嫌なら俺がもう少し話ししてやるぞ?」


「そんなっ!そんなこと出来ません!内野コーチが決めたことだからっ!」


私は顔を上げて涙目で黒さんを見つめながら、必死で首を横に振った。




不思議だった。

あの時は辞めて欲しくないって素直に言えたのに・・・今の私は本音を隠してる。



どうして、なのかな・・・・・・?






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