【完】トリプルスレット
「はい」
私は奏大さんに力強く返事をして、自信満々に笑ってみせた。
奏大さんは「光明も喜ぶよ」って笑ってくれた。
「良かったね」
それを聞いていた友梨が肩を抱いて喜んでくれた。
「心配してたんだからねえ!俺たち!ココちゃんが元気ないってさあ」
愛都も私に駆け寄ってピョンピョンと私の周りを飛び跳ねた。
「元気がない?」
「うん。内野コーチがいなくなってから、覇気がなくなったっていうか・・・気にしてたんだ。だけど・・・もう大丈夫だね」
「うん」
「楽しんで、欲を言えば優勝してさ・・・へへ。一緒に笑おうね。それで、内野コーチも笑ってくれたら嬉しいね」
友梨の言葉がジンと胸に響いた。
「俺も笑うぅーっ!!」
愛都は拳を空に掲げて叫んだ。
その拳を見上げると、拳の真上には太陽が強い光を発しながら輝いていた。
高校総体予選まで、あと三か月――――。