【完】トリプルスレット
「私が蒼を連れて帰るから。あなたは、家に帰って夕ご飯の準備しておいて」
『うん。そっか。了解』
プツ…ツーツーツー
私は携帯を閉じてポケットに入れると、蒼の後ろからそっと近づいた。
「そーら」
蒼の名前を呼ぶと、蒼はピタッとドリブルを止め、振り向いた。
「ココちゃん」
「だーかーらー、その呼び方止めなさいって。この間友梨にも言われたでしょ?」
「だって、愛都がそう呼んでるんだもん!いいじゃん」
蒼は愛都のことが大好きで、ここ最近何かと愛都のマネをしたがる。
「ココちゃんは、可愛いからココちゃんでいいんだよ!」
真剣にそんなことを言う我が子にキュンとしてしまう。
「もうっ!蒼ったらかわいすぎ!!」
私は蒼を抱きしめてほっぺをすりすりした。