【完】トリプルスレット
「内野コーチ……?」



内野コーチは視線をそらしながらポリポリと頭を掻くと、自分が持っていたボールを私に手渡した。



「え?」



「いいよ。教えてやる」



「何をですか?」



「バスケット」



「私のこといらないって……」



「あー…いちいち面倒臭いんだっつうの」



内野コーチは私をギロリと睨み付けた。



「お前が根性あるか試してただけだし」



何、それ……。



試してた!?



私は真剣に悔しくて悲しくて、辛かったっていうのに。


私が眉間にシワを寄せていると内野コーチはハアとため息をつき、後ろを向いた。




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