こころの鍵~またいつか…~

罫瑚と付き合って4ヶ月がすぎたころあたしたちははじめてのちゃんとした旅行にいった。


罫瑚の仕事上、罫瑚たちはポケットの中すべてが全財産だった。
幹部になれば話は別だが二十歳をすぎたばかりの罫瑚のようなチンピラでは自由になるお金は少ない。

そんな罫瑚だったがあたしと泊まるときは必ずシティーホテルをとってくれた。
あたしが「罫瑚、あたしは一緒にいれるだけで幸せだから無理しないでね」

といっても
「桃花ちゃんには変なホテルは似合わへんから…」と優しい顔でいってくれた。
あるとき五十万とゆうお金を罫瑚から渡された。

「桃花ちゃん、これ持ってて」とあたしに言ってぐちゃぐちゃの封筒をあたしに押し付けた。

あたしにとって一回服でも買いに行けば足りないくらいのお金だったが罫瑚から受け取った重みでいつものお金とは違ってみえた。
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