大切なもの
「あぁぁ!!浅井怖いんだけどぉ~~~!!」

「俺だって怖いんだから・・・。」


ただ今真っ暗闇の山の中を、ランプの光だけで歩いてます・・。もう怖すぎっっっっ!!


「浅井~~~手つないで欲しいんだけど・・。」


「えっっっ!?」


はっ!!私ったら怖すぎて浅井に変なことを言ってしまった・・。やばいかも・・。
みさき~助けて!!

浅井はしばらく無言だった。もう肝試しより浅井がこれから言う言葉の方が怖い。


「・・。はい。」

「え??」

「だから!!手!」

浅井はいきなり口を開くと私に手を差し伸べてくれた。すっごく嬉しい・・。

「良いの・・?」

「良いから。」


私はそっと浅井の手に私の手を乗せた。

ドキンドキン・・・。

音が伝わっちゃうよ・・・。


もう怖さより音が伝わっちゃうじゃないかとずっと考えていた。

浅井は浅井であれから話さなかった。


すっごく幸せな時間だった・・・。


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