大切なもの
私はグー。皆はパー・・・。一人負けなんですけど??これじゃあずっと私が鬼だよ・・・。


「じゃそうゆうことだからっ!!香奈10秒数えてね!!」

「そんなぁぁぁぁ・・。」

皆はいちもくさんに逃げていった。一人残された私はとりあえず10秒数えた。

「1、2、3、4・・・・・10。」

とりあえず近くにいたみさきを追いかけてみた。


「みさきぃ!待ってよ・・!」

「待ってなんて言われても、待ちませんよ~!」

私がどんなに頑張って追いかけてもみさきとの距離は縮まらない。

そりゃそうだよね。だってみさき体育祭で女子の100m一位だったもね・・。
あきらめて他の人にしようっと。


辺りを見渡すと浅井が近くにいた。・・・よしっ。今好きな人とかそんなこと考えてる場合じゃないよね!だって下手したら自由時間ずっっと私が鬼だもん。


私は浅井目がけて走った。

「香奈!俺に向かって来るなよっ!!」


そういいながら浅井はおそらく本気で走っていた。ダメだ・・・。追いつかないよ。


「もう・・無理だよー・・!!」


そんなことを言っていると啓斗が、私の近くまでやって来た。

「鬼さんこちら手の鳴る方へ!」

啓斗は足が速いのに、ゆっくり走っていた。あっ。もしかして私が啓斗にタッチ出来るように遅く走ってくれてんの?


私は急いで啓斗に向かって走った。あと20cm・・・あと10cm・・。


「タッチ~!!!」

「香奈やっと鬼じゃ無くなったな。俺のおかげだよ?」

「うんっありがとっ!!」

「よっしゃぁぁ!!浅井!行くぞ~!!」

啓斗はすぐ浅井を目がけて走っていった。


ホント啓斗のおかげで鬼じゃ無くなったよ・・。
啓斗ってやっぱ良い幼なじみだな・・。
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