大切なもの
私たちは1時間30分も鬼ごっこをしていた。もう私は走り疲れちゃったよ。

「じゃそろそろ帰るかぁ。」

啓斗は体を伸ばしながら皆に言った。

「ん~。帰るか。もう疲れた。」

浅井は、見てる私の方からも分かるぐらい疲れ切っていた。さすがにあんなに走ってたらね・・。



皆で公園を出て、集合場所に向かって歩いているときに華が私に話しかけてきた。


「香奈?一昨日、昨日と今日もだけどなんか香奈おかしくない?どうしたの??」


華は私がいつもと様子が違うの気づいてたんだ・。でも今はまだ理由言えないよね。

ちゃんと私が決断してからじゃないと・・・。


「ごめん。まだ理由は言えないんだ。でも、必ず言うから・・。」

「いや。別に言わなくても良いんだよ?ただ心配だったからさ。」


華はやっぱり優しい人なんだよね。やっぱり悩んじゃうな。華が最悪な人だったらこんなに悩まないのに。


「絶対言うからね・・・。」


最後のわたしが言った言葉は、華に聞こえなかったみたい。

華は首をかしげて

「まぁとにかく急がないとね。」

「うん。急がないとサブちゃん怒るもんね。」


私はあえてさっきの言葉は繰り返さなかった。華も聞いてこなかったし。

それにさっきの言葉は


私の決心・・・みたいなのだったから。


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