大切なもの
学校の校門の前まで来てやっと啓斗が話した。


「香奈無理して笑うなよ?無理しすぎてんだから。じゃ」

「えっ・・・?!」


啓斗はそれだけ私に言って走って学校に入ってしまった。

私無理してないんだけどな・・。元気だから笑ってるのに。


ボタッ・・。


え??  いつのまにか大粒の涙が地面の上に落ちていた。

私なんで泣いてるの?さっきまで元気だったのに。


私無理して笑ってたの・・?浅井のことやっぱ悲しくてしょうがないんだ・・。


私が気づかなかったのになんで啓斗気づくのかな・・。


どうせなら気づきたくなかったのに。


私は急いで涙を拭いて昇降口まで歩いた。
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