大切なもの
キンコンカンコーン・・コンキンカンコーン・・。


朝の会の始まりのチャイムが鳴った。さっきの涙は・・なんとかおさまった。でもなんだか泣きそうだよ・・

「ったくなにやってんだよ~!!」

浅井の声が嫌でも聞こえてくる。

好きな人が同じクラスって最悪な事だったんだね。あきらめてるはずなのに声が聞こえるたびドキドキしたりして、胸が苦しくなるよー・・。


「気をつけー、礼」


ガヤガヤ・・。気がつくと朝の会が終わっていて皆更衣室に向かっていた。

やばいやばい・・。体育の先生怖いからなぁ。


「香奈ぁ?香奈ぁ??さっきからなんか暗いよ。大丈夫?」


更衣室へ向かう途中華が聞いてきた。

そんなに私暗かったのかな・・。


「大丈夫だよっ!!別に暗くないし。」

「そう?何かあったら私に言いなね・・?」

「うん。ありがと。」


華はやっぱり優しいんだね。私、浅井の事・・絶対諦めるからね・・華。


私は心の中で華に話した。
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