大切なもの
家へと帰る途中私服で歩いてくる啓斗がいた。


ヤバイっ・・。

このままだと泣きそうな私を見られちゃうよ・・!!


「香奈・・?」


アウト・・・。


向こうも私に気づいちゃった・・。

私は急いで涙を拭いた。

「あっ。啓斗!もう家に帰ってたんだぁ。どこ行くの?」


気づかれないように笑顔で話した。

気づかれたらまた余計に迷惑かかるから。


啓斗はやれやれみたいな感じで


「だからウソつくなって。みさきからメールで聞いたから。無理して笑うなって言ったろ?」


次第に私の顔から笑顔が消えていきまた涙流れそうになった。


だからまた必死で上を向いた


なんで?

なんで?


なんですぐ啓斗は私が無理をしてるって気づくの?


やめて

やめて


そんなにすぐ気づかないでよ-・・・。
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