大切なもの
修平の家はなんと結構近くだったんだって。

だから公園に待ち合わせになったんだ。


私は急いで着替えて家を出た。たまたま家に誰もいなかったら何にも聞かれないで家を出れた。

いろいろ聞かれると大変だから・・。


今まで通っていた通学路をしみじみ歩いて公園に着いた。


ここの公園は・・そう。


あの時の公園。


まだこの公園を見ると胸が痛む。

だって何にも変わってないんだ。

あのとき見た景色や遊具が―


私はベンチに座ってまだ来ていない修平を待った。


まだかなぁ。

なかなか来ないからブランコでもしようかな。

そう思って立ち上がったとき


「ゴメンな!俺から誘ったのに遅くなって・・」


修平は自転車で急いで来たのか汗ばんでいた。



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