大切なもの
「ウソだよ。自分で格なんて言うわけ無いじゃん。香奈って面白いな」


え・・・

ウソなの?今まで必死に考えてたのがバカみたいじゃん。

確かに自分で格好いいなんて言ってる人なんてそんなに居ないよね。


「ウソだったんだ・・・。変なウソつかないでください」


修平は可愛く笑って・・


「ゴメンゴメン。もうつかないから。」


と言って私の頭を手でポンポンとした。


キャー・・。

顔が赤くなってきてるよ・・絶対。


そしてあの感覚が蘇った。


キャンプの時浅井がしてくれたことを。

なんか浅井と修平似てる・・。

だから見とれてたのかな?全然違うタイプなのにね。


「香奈。めっちゃ顔赤くなってるけど?」

「え・・?あぁ修平のせいだからっ!!もう止めてよ」


まだ修平は頭を触っていた。最初はポンポンだったけどだんだん私の髪で遊び始めていた。


「だって香奈の髪サラサラで触ってて楽しいから・・」

「あっ・・ありがと・・」


髪がサラサラ。こんな事言われたの初めてで嬉しかった。


―恥ずかしくて公園の入り口辺りに顔を向けた。


だって顔見せられないぐらい赤いから・・。


すると・・啓斗が公園の中へと入ってきた。
< 78 / 102 >

この作品をシェア

pagetop