大切なもの
「啓斗・・?どうして・・あんなこと言ったの?」


香奈はまだ顔を赤くしながら俺に聞いてきた。

まだ分かんないのかよ?

どんだけ鈍感なんだ・・?ありえないでしょこんなに分かりやすいのなんて無いって。


「まだ・・分かんない?」


俺は逆に香奈に聞いてみた。


「え・・・?分かんないって何が?」


香奈は意味が分かんないみたいな顔をして俺にまた聞いてきた。

そろそろ気付よ?俺の中で何かが切れた


「だからっ!俺は・・香奈が好きなんだよ・・!!今までずっと」


俺の中で切れたのは―


香奈への想いだった。


ってか俺なんでこんな住宅街で告白してるんだ・・?

場違いだし。


香奈はなんか魂が抜けたような顔をしたかと思うといきなり顔を赤くした。

恥ずかしいのは俺の方だから・・。



―でも


俺は香奈に気持ちを伝えられて良かったと思う。

たとえ俺が香奈の恋愛対象外だとしても・・。


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