黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
じゃー、飛ばすか。
「飛ばすから、しっかり捕まってろよ」
「はーい!」
返事が聞こえたのを確認し、私は思いっきりスピードをあげた。
後ろで何やら咲希斗がさけんでるけど、車のクラクションや風をきるおとが煩くて聞こえない。
そして、ものの三分くらいで近くのコンビニに着いた。
「はっ、初めてバイクで怖いって感じたよ〜………っ。
つっくんて、スピード狂なんだね……」
「ごめんって。
みんなが待ってるなら、急いだ方がいいかと…」
「そ、だよね……。
まだ心臓がバクバクいってる………」
相当怖かったらしい。
その証拠に、咲希斗は胸を押さえ、小刻みに体を震わしている。
あー…、悪いことしたなぁ。
いつも私、あんなんだし……。