黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
「…――柊」
ほら、やっぱり来た。
振り返ると、こっちをジィーッと見据える紅蓮。
私も負けずに見据え返す。
「〝銀の悪魔〟の知り合いだったのか?」
「…そうだけど?」
「何故、言わなかった。
俺たちが探してたことぐらい、知ってただろ?」
「当たり前。
目の前で騒がれたんだから。
……アイツは、仲間をつくらねえ質なんだ。
それに、アイツはもう既に別の族に入ってるから、仲間にしようとしても無駄」
「…別の族、だと?」
あ、言い過ぎちゃったかな。
まぁ、いいや。
「どこの族だ」
「さぁな。
教えるつもりはねえ。
アイツは、俺の大切な〝相棒〟なんだよ。
情報を売るつもりなんかさらさらない」
銀の悪魔は、私自身である。
銀の悪魔は、私がいるから、存在することが出来る。
私にとっては、〝相棒〟も同然。