黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
……ん?
なんか、視線を感じる……。
辺りを見渡すけど、やっぱり誰もいない。
気配がするのは、あの角だな。
あの角に、誰かいる。
けど、面倒なことはしたくないし、
まだその視線に殺気は含まれていない。
……それに、その視線は私に向けられてるわけじゃない。
青龍に向けられたものだ。
恐らく、青龍を狙ってる族だ。
………No.2の座を狙ってるんだな。
ったく。
行ってくるか。
何処のチームか確かめねぇと。
一応、青龍の幹部。
角に近づいていくと、やっぱり人影が。
「んなとこで何やってる。
何処のチームだ」
「―――っ!!?」
「聞いてんのか」
「…――っき、黄狼、です…――――っ!!」
黄狼か。
こんな感じだったら、随分前から青龍たちの後を付けてたな。
「お前らの総長に言っとけ。
…コソコソしねぇで、堂々とやれや、って」
「は、はいぃぃーっ!!」
あ〜らら、怯えちゃったわ。
情けないくらい、ビビりな黄狼の下っ端くん。
それでも男かっての!