黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
そう言ってくれてありがとう。
なんか、嬉しくて、くすぐったい気持ち。
「あのさ、月夜。
お前にお客さんだぜ」
「客……?」
「つっきや!
久しぶりだね、元気にしてた?」
和志の後ろから、ひょっこり顔を出したのはなんと、…―――繭だった。
「まっ、繭!?」
「会うのって、半年ぶりだよね?
なんで連絡、してくれなかったのさ?
えぇ?
転校するって、聞いてなかったんだけど?」
「そっ、それはだな…………」
ガバッと抱きついてきて、顔を上げて言った繭の顔は、それはそれは怖い、真っ黒な笑み。
お、怒ってるーっ!!
やべえ、繭がキレたら、マジで怖いんだよ!
「私たち、親友だよね?
親友だと思ってたのは、私だけだったのかな?
月夜?」
「お、俺だって親友だと思ってるぜ?
え、っと、ただな?
その、いろいろと忙しくてだな……っ」
「ぶはっ!
冗談だってば!
からかってみただけだって!」
じょ、冗談に見えなかったんだけど…っ!!
まっ、まぁ、ね。
怒らなくて良かった………。
私、危うく死ぬとこだったよ……。