黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
「手紙。
今、ある?」
「あ、はい。こちらに………」
「ん、サンキュ」
狂ったような狼の模様が入った、黄色の封筒。
この封筒の模様、間違いなく黄狼のマークだ。
しかもご丁寧に、
〝柊月夜様へ
黄狼総長 杉田より〟
と書いてくれちゃってる。
「おい、月夜。
そんな封筒捨てちまえ!
黄狼からなんて怪しすぎるだろ!!」
「…なんで、月夜くん宛てに来たんだろう。
青龍を潰したいのなら、別に月夜くん宛てじゃなくてもいいのに」
あーだこーだ言ってるみんなを無視して、
封を開けた。
中からは、またまた黄色の一枚の紙。
『久し振りだね。
青龍の幹部になったって聞いてビックリしたよ。
関係ないってあの時は言ってたのにさ。
さっそく本題に入るけど、来週の木曜に俺と初めて会ったあの場所で待ってる。
話があるんだ。
時間は…、そうだな。
正午あたりに。
昼食奢るよ、もちろん。
俺が呼び出したんだからね。
じゃあ、また来週会おうね』
…――という内容。
来週の木曜の正午にあの場所で待ってる、か。
呼び出しね。