黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
…――クスッ。
いいじゃない、行ってやろうじゃんか。
これは、いいチャンスなのかもしれない。
黄狼の情報を手に入れるための、チャンス。
もしこれがチャンスだと思うなら、逃すわけにはいかないでしょ?
それが例え、罠だったとしても。
足手まといがいなければ、私1人で黄狼を倒すぐらい出来る。
「なんて書いてあんだ?」
「――いや、なんでもねえ」
この手紙の内容がバレたら、せっかくのチャンスが台無しだ。
内容は全て覚えたし、これはバレないためにももういらない。
ポッケからライターを出して、――手紙を燃やした。
「ちょ、なにしてんだよ?!!」
燃えた紙は、跡形もなく灰となって地面に落ちる。
全て燃えたのを確認して、灰を拾い上げ、屋上から空気中にバラまいた。