黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
「さ、さすが全国模試No.1……っ」
「つっくんがこんなに頭がいいなんて知らなかったよ、僕」
「なに?
俺が馬鹿だとでも思ってたの」
「いや、馬鹿までは思ってなかったよ。
馬鹿なのは來希と憐慈だけで充分。
でもそこまで頭いいとは想像つかなかったんだよ」
あ、やっぱり、その2人は馬鹿なんだね。
なんだか想像つく。
「まあ、とにかく採点よろしく」
「採点する意味ねえと思うんだけどな。
まっ、和志に渡しとく」
採点すんの、観月じゃなくて和志なのね。
確かに、採点とかは担任の役割だと思うけど、流れ的に観月がするのかと思ったよ。
プルルルル……
「月夜、ケータイ鳴ってる」
「誰からだ、……。
観月、ちっと出てくんな」
「あぁ」
電話は、真咲さんからだった。
真咲さんからってことは、たぶんあの事。
この場では出られない。
廊下に出て、適当に空き教室に入った。
「…どうした」
『大変なことがわかった』
「大変……?」
『八木原組潰し、…………面倒なことになるぞ』