黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
「あぁ、それと。
先代たちのこと悪く言ってごめんね。
君たちが殺人未遂までした理由は、
君たちの大切な人が〝奴ら〟のせいで植物状態になってしまったから、その怒りでしてしまったことも。
そこを紅蝶が助けて君たちを救ったことも。
先代たちが君たちを拾って、仲間の大切さや暖かさを教えたってことも。
生まれ変わった君たちを信じてトップにしたってことも。
知ってるよ」
これも藍が調べてわかったこと。
「…―――っ」
「酷く言ったのは、航太を怒らすため。
わざと、だよ、全部。
怒らせないと本気だしてくれないでしょ」
「だから……って…」
「うん、やり方汚かったよね、ごめん。
反省してるよ。
今度ご飯奢るからさ。
……許して?」
いつものまっちゃんに戻った、とサッキーは呟いた。
いつもの、ね。
どちらのも〝僕自身〟なんだけど。
「ま、…んまと、理人、っくんに騙されちゃ、ったな〜……っ俺」
「ふふ。
ごめんって。
あー、喋んないほうがいいよ?
傷が酷くなる」
「理人、喧嘩強い…」
「まあね。
………あと、さ。
僕気にしてないよ?
君たちの過去のこと。
君たちより僕たちのほうが酷かったから、ね。
それに、友達でしょ、僕ら」
「まっちゃ、ん……」
んー、なんか、The青春、って感じになっちゃってない?
この雰囲気。