バトルロワイヤル

大好きなじいちゃん

オレは中川健太(なかがわ けんた)5才。
家は、オレと父さん、母さん、そしてじいちゃんの4人だ。ばあちゃんはオレが生まれる前に亡くなっていた。

(カチッ…カチ…)畳の部屋から石打の音が聞こえてきた。
「じいちゃん何してんの?」
「ん?碁だ…。」じいちゃんは1人でいつも本を見ながら碁を討っている。
「碁って1人でも討てるの?」
「まぁな…。本や新聞で番号順に討っていったら勉強になるしな…。」
「番号ってどれ?」オレはじいちゃんのそばに行って本を見た。
「これだ…」じいちゃんは本を指さして言った。
「本当だ!!」指の先には石の上に番号がふった絵が描いていた。
「…まぁ人と討つのが1番おもしろいけどな……」じいちゃんはボソッと言った。
「じゃあ一緒に討とうよ!!」
「……!!本当か?」
「うん!」
オレはその日から碁を覚えた。

「……健太の負けだな。」
「………」オレとじいちゃんはその日ゆっくりながらも対局をしたが、負けてしまった。
幼稚園児の負けは悔しく泣いてしまった。
「…うっ……じいちゃん死ね!!」これが泣いたときの口癖だった。
「うっ……ぐっ…。……」じいちゃんは急に倒れた。
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