バトルロワイヤル
―翌日―
いつものように幼稚園に行くともぅ亮佑がいた。
「おはよ!」先に亮佑が話し掛けてきた。
「おはよ!亮佑!」
オレと亮佑の仲は“君”をつけずに呼べる仲になっていた。
「………」微妙な沈黙が続いた。
「……おれ…」オレは先に口を開いた。
「……ん?」
「オレ碁強くなったんだぜ!!」
「……。そうなんだ…。」いつものように亮佑はさほど元気がなかった。
「……討つ?」
「討とうか。」亮佑は答えてくれた。
(カチッ…)
「……お葬式ってよくわからなかった。」亮佑は黒石で先手を討って言った。
「………」
「おれ、おじいちゃんの顔見たことなかったからなんでみんなが泣いてるかわからなかった…。」
「……そうなんだ。」
(カチッ)それ以降2人共しゃべらなくなり、あっという間に整地になった。
「……2目半で白の勝ち…。健太が勝った…。」
「…やった…、やったぁ!!」オレはその場で叫んだ。
「健太強くなったな!」
「当たり前やんか!!今日オレん家くる?」
「えっ?」亮佑は偉く驚いた。
「じいちゃんが対局に勝ったら連れておいでって!!」
「行くよ!!なんか楽しそう!」
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