バトルロワイヤル

ありがとう…

―4階トイレ―
「亮佑…勝ったのか…?」
「健太もぅしゃべるな!!」オレは血だらけの健太に言った。
健太はもぅ自分の足で立てるかどうか…意識を保てるかどうかの状態だった。
「……亮佑…。オレ…もぅダメみたいだ…。」
「何言ってんだよ…。なぁ、健太ぁ!!」
「健ちゃん死んじゃ嫌!!!」オレのそばで真弓は泣き崩れた。
「…やっとじいちゃんと碁がうてる…。会えなかったばあちゃんにも…」
「うぉ……健太がいなくなったら寂しくなるじゃねぇか…!!」
死ぬなんて思いたくないのに涙がどんどん出てくる。
「オレの手ぇ握ってくれねぇか…?」
「……ぅん!」
「…おう!!」真弓も立っていた児玉もオレも健太の手を握った。
「…あったけぇ…。…ありがとう…。」
「…他に健太何かねぇか…?」握った手ががたがた震える。
「亮佑……耳貸してくれ…」オレは亮佑の口に耳を近付けた。
「……真弓を最後まで守ってくれ…。そして………本当に…ありがとう……。」
そこで健太の呼吸は止まった。
「…健太…?」いくら体をゆさぶっても反応がない。
「健ちゃん!?」
「なか…がわ!!」
「健太ァあぁああぁあ!!!」

ありがとう…
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