バトルロワイヤル
「わからんけど、たぶん…武器やな…」児玉は親指をあごにつけた。
「武器…ですか…?」
「あぁ…。このバトルロワイヤル(たたかい)はもともと最後の1人まで戦うことだ。…だからそれまでの仲間だろう。中塚の背中を見てみろや。」児玉は画面に映る指をさした。
「……?この背中に背負ってるものはなんですか?」大野は画面に目をやった。
「…わからん。なんか特殊な武器やろな…」
「わからーん!!!」
突然1人の部員が叫び出した。
「何がわからんねん、薬師寺!?」叫んだのはP研の薬師寺宏(やくしじ ひろし)だった。
「ハッキング方法がまったくの皆無や!!」
「がんばれよ薬師寺!」
「本当にハッキング方法なんかあんのかぁ!?こんなの絶対に……」
(グッ…)大野は薬師寺の元に行き胸ぐらを掴んだ。
「無理なんかじゃない!絶対にできる!!」
「……おい、大野、冗談だぜ…」薬師寺は苦笑いを返した。
(…パッ…)大野は手を放した。
「…少なくとも、冗談で無理とかも言うな…。言っちまうと死んだ紙本さん達に失礼だ!」大野は薬師寺に背を向けて拳を握った。
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