バトルロワイヤル
その日から1週間たってもいじめは起きなかった。
そしてその日いつものように家に帰ると、お母さんとお父さんがすでに家にいた。
「…真弓、早くしたくしなさい!」お母さんは言った。
私はすぐに服を着替え、車に乗らされた。
ついたのは病院だった。
「お母さん…?」
「早くついてきなさい!!」お母さんは私の腕を強くひっぱり尚ちゃんの病室の前についた。
(ガラガラ…)中に入ると、尚ちゃんの両親と先生がいた。
最初に病室を見たときの映像とよく似ていた。
「…真弓ちゃん…。…ありがとう…。」尚ちゃんのお父さんとお母さんは私のとこに来てお礼を言った。
(……えっ?)と思った。
私はすぐに尚ちゃんのそばに行ったが、横にある機械は脈拍をうっていた。
(…生きてる!)内心ホッとした。
そしてふと横にあった花瓶を見た。
(……!!!)
そこには無残に散り去ったスイセンの茎だけが入っていて、花びらはしわしわになって落ちていた。
「真弓、あなた尚ちゃんのお見舞いに最近行ってなかったのね…。」お母さんはスイセンの花びらを拾いながら言った。
「…ごめんなさい。」
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