バトルロワイヤル
木下は息を引き取った…
「木下君…?」呼び掛けてももちろん返事はない
「ご…ごめなさい……」真弓は手を廊下につけて謝った
「ごめん!」オレと健太も同じようにした
最高気温を記録したその日さえ、廊下はいつも以上に冷たいと思った
「そろそろ行くぞ……これが今の現実だ…」児玉は遠くを見る目で言った
「このナイフはオレが使わしてもらうからな。」オレは木下の右手からサバイバルナイフを拾って、たらいをカバンにもどした
「山川、たらいをまだ持っとくんか?」
「あぁ、思い出としてな…。」
「そかぁ。じゃあそろそろ音楽室に行って休もか……」
「……そうやな。」オレたちはすっかり疲れ切っていた
「……ありがとう。木下君。ウチあなたの分まで生きるわね。」池野が立ち上がろうとしたその時……
(ダーーーーン)ピアノを一斉にならす…いや、一斉に叩く音がした
「きゃあぁぁあ!!」
「音楽室にもぅ人がおったんか。」健太は疲れ切った声で言った
「こりゃまずいな……」
「……何が?」
「こんだけさっきのんで大きい声だしてたら、向こうの待ち伏せは確実かもしれんし、さっきの音は死体が打ち付けられた音っぽいし」
「……え!?」
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