バトルロワイヤル
「死ねやぁぁあぁ!!」武井は泣き叫んだ。
おそらくこの言葉は代わりに出場した御堂、御堂を選んだ監督、そしてそれを止めなかったオレ達へだろう。
「武井先輩すいませんでした。」御堂の顔はしわくちゃだ。
「すいませんですむかよ!……ぇせ…返せ!……オレの時間を返せよ!」
「…………」誰も何も言えなかった。

そこから野球部での御堂へのいじめが始まった。
―男子トイレ―
「おぃ、ちょう面かせや!」
(べちゃ)
「ウッ…!!」小便をしていただけの御堂は後ろから頭に糞の入った袋をぶちまかれた。
「お前が武井にやったことはこんなじゃ済まねぇぞ!」
御堂はうつむくしかできなかった。
そこからさらに御堂へのいじめはエスカレートしていった。
同じ学年の仲間さえ御堂(やつ)を無視し始めた。
大会から3日たった今と大会前ではあきらか顔の痩せ具合が違う。
オレと健太はいじめに参加してなかったが、ただ見てるだけしかできなかった……。
その日の夜のことだ。
オレは学校にグローブを忘れたから健太ととりにいった。
「あった!!」グローブを見付け、ふと部室からグランドを見渡し校舎を見上げた時だ………
「…あれは……!!」
< 24 / 358 >

この作品をシェア

pagetop