バトルロワイヤル
『ワー!キャー!』
校庭では久しいように1年生が遊んでいる。
「なんか懐かしいな…」オレはバトルロワイヤルが始まる前まで当たり前のように見ていた景色を見て心が切なくなった。
「山川君今日なんか変よ?何があったの?真弓や児玉君もいないし…」里中はオレに向かって言った。
3年生は受験が無くなったことなど別の話題で夢中だ。
「あの2人なら今は幸せの絶頂さ…」オレは三角座りで近くにあった石を投げた。
「…ひっついちゃったのね…。」
「…あぁ。…オレ今まで真弓の近くに居すぎてわからんかったけど、…好きだったみたいやな…」ポロリと涙が地面を濡らした。
「…山川君…」里中はオレの頬を拭った。
「…ん?ごめんな、女の前なんかで泣いちゃっ…」
「私じゃダメかな?」
(…えっ――)
「おい、更家…あいつ誰や?」3年の五十嵐(いがらし)が話を打ち切って隣にいた更家(さらいえ)に言った。
「どれや?」更家は五十嵐の指の先を見た。
「アレやって、アレ」確かに五十嵐が指す指の先には見知らぬ男の子がいた。
「よっ!野本じゃねぇか!」神崎は男に近寄った。
「なんだぁ、知り合いか!」五十嵐は指をおろした。
(ババババッ…)
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