バトルロワイヤル
「“この手袋はなんやねん?”、そういう顔してるなぁ…。」徳光の顔を見て頬笑んだ。
「……!?!」
「そりゃそうだろ。このクソ暑い中手袋をしてるんやもんな。疑問になって当然やな。」
(ゴソゴソ…)
そう言って青山はカバンから1つ手の大きさにしっくりくるような爆弾を取り出した。
「この爆弾はなぁ、すっげぇ粘着性があるんだ。なんでもスパイダーマンの蜘蛛の巣くらいのだって。だから人にくっついても離れないってさ!笑っちゃうよな!ハハッ…」
(この状況でなんで青山(あいつ)は笑ってられるねん!!オレの仲間は殺されたし…、もうすでに境界性人格障害が始まってるんか!?)徳光の顔は汗か涙かわからないくらいに濡れていた。
「…でもなんでオレがその“粘着性”にひっつかないか教えてやるよ。それがこの“手袋”なんだ!」青山は医者がオペをするような仕草で手袋を引っ張って見せた。
「この手袋には特別な加工がされててな…」
「…特別な…加工…?」
「あぁ。簡単に言えば水と油の関係だ!だからこれをつけてるかぎりオレに爆弾が手にくっつくことはないねん!」
(…この1年(ガキ)が余裕かましやがって…!!)
< 291 / 358 >

この作品をシェア

pagetop