バトルロワイヤル
「…あぁ。だからこれを使う必要がなくなったんだ…。」児玉は握り締めた爆弾を遠い目で見つめた。
「じゃあなんで今さらそんなこと…」
「だから今からこの爆弾で基地自体を爆破しに行くんだ。真弓と一緒にね…」
『…!!?』
「そんなことさせるかぁ!!児玉ァ、お前この7日間オレや真弓、死んだ健太や御堂と一緒にずっと行動してきたじゃねぇか!!」オレの目から悔し涙が出てきた。
「黙れ!あんなもんただの演技にすぎんわ!!………でどうすんだ?お前らが誰かこのトラックに乗り込んだ瞬間この爆弾を爆破し全員殺す…。誰も来なけりゃ誰も死ぬことはないんだぜ。」児玉は驚異の2択を出した。
「そんなの決まってるだろ!!みんなトラックに乗り……」
(………えっ…!?)
『……………』
みんなは微動だに動こうとしない。
「みんな何やってんだよ!!真弓を助けようや!?」
『……………』
「…どうやら自分の命が優先みたいやな…」児玉はトラックの荷台から鼻で笑った。
「…すけて…、…亮ちゃん助けてぇえ!!!」
(………――!!)
真弓の必死の叫び声がオレの胸に響いた。
でもその場でオレにできることは何もなかった…。
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