バトルロワイヤル

「頼んだってどういうことだよ！なぁ、児玉ｧｱア！！？」
（ガー…）
トラックの荷台は完全に閉まり切った。
「オレには真弓は守れないよ！！児玉ｧア…」
（ブロロロロﾛ…）
トラックは黒い煙を出しながらエンジンをふかした。
（…悪いな亮佑…、みんなぁ。こんな勝手なオレを許してくれよな…）
（ﾌﾞﾛﾛﾛﾛ…）
トラックは児玉を乗せて門から出ていってしまった。
「児玉ァアァ！！児玉ｧ…」オレは何度もトラックが走り去った方に叫んだ。
「…これも全部児玉（あいつ）の作戦だったんだ…」白城はやっと自分から口を開いた。
「……一体どういうことなの？…白城君？」真弓は聞き返した。
「…昨日の夜にオレと佐千代に言ったんだ。“明日オレが政府のところに1人で爆破しに行く”って…」
（…ガッ…）
「どぉしてそれを早く言わねぇんだよぉ！！？」オレは白城の胸ぐらを掴んだ。
「やめて！大ちゃんは悪くないの！」河村が止めに入った。
「…あっ？」
「実は彼、昨日自分で言ってたのよ…、“オレの体はもう限界だ。内蔵とあばらが逝っちまってやがる”って言ってたのよ！！彼の体はもう長くは……」河村は自分の上唇を噛み締めた。