バトルロワイヤル
「…ふぅ…ふぅ…」
児玉すぐに自分のやった過ちに気が付いた。
乱れる呼吸と共に口から吐血していく。
「…はぁはぁ…じゃ…じゃあオレが追い出した桜井と横須賀はオレのせいで…!?」児玉の頭の中に2人の顔がよぎった。
「…なんてこった……。オレのせいで2人が死ぬかもしれない…」児玉は不安に包まれた。
(…ガタンッ!!)
トラックが突然激しいくらいに揺れ、児玉はその勢いでしりもちをついた。
「…痛ってえなぁ…」児玉は尻をさすりながらさっき作った覗き穴を覗いてみた。
(……ん?…土か?)
トラックは土の上を走っていた。その土の色は運動場の色とよく似ていた。
(……!?…あれは……軍人じゃねぇか…)児玉は迷彩柄を来た軍人を何人か発見した。
よく見ると背景にも迷彩柄のテントがいくつか見えた。
「…ここは…軍基地…」
児玉の肩の力がスッととれた。
「…気合い入れてかなきゃ…」児玉はポケットの爆弾を確認してから銃を握った。
(ブロ…)
トラックはついにとまった。
(ガチャ…)
児玉の銃と荷台の鍵が開く音が重なった。
(ウィーン…)
荷台はゆっくりと扉を開けはじめた。

(……さらば…オレ…!!)
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