バトルロワイヤル
(…スッ…)
「まだ死ぬことが決まったわけじゃない…」山田大佐は握手していた手を引いた。
「…えっ?」オレはさっきからまぬけな返事を何回かしている。
「だって最後の逆転が起こるかもしれねぇだろ……ほらっ?」山田大佐は急に大空に向かって人差し指を指した。
(……ん?)
「ほら聞こえんか?」
(……プルプル…プルプルプル…)
「PO…LI…CE…USA…アメリカか!?」
上空には“POLICE USA”と書かれ白色にブルーのラインが入ったヘリが飛んでいた。
《…Just a minutes…!!》ヘリから英語が流れた。
「…ん…?」やはり生の英語はオレ達中学生には理解しずらい。
「…ちょっと待ってろだとよ…」オレが理解に苦しんだ様子を見て山田大佐は日本語訳をした。
(プルプルプルプル……)
やがてヘリのエンジンは地上でおさまり運動場に2つのヘリが待機している状態となった。
「亮ちゃん…」
(グッ…)
真弓は寄ってきてオレの裾をつかんだ。
音も何もない。
ただ風だけが温度を感じさせた。
(ガチャ…)
中から誰か2人が出てきた。
「Hello!!Mr.YAMAKAWA!!」
何を言ってるかわからなかったがはっきり“やまかわ”と言ったのが聞こえた。
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